著作権, ロゴ, ブランディング, グラフィック

MAGAZINE創るマガジン

© CREED BANK Co.,Ltd.

制作したロゴの著作権は誰のもの? 著作権侵害や著作権譲渡について解説

制作したロゴの著作権は誰のもの? 著作権侵害や著作権譲渡について解説

12.152023
CATEGORYブランディング


ロゴを作る際は「著作権」に注意が必要です。著作権へ配慮せずにロゴを制作すると、著作権侵害で損害賠償を請求されたり、せっかく作ったロゴが使えなくなったりする可能性もあります。

また、自社で発注したロゴだとしても、著作権譲渡の手続きをしていないと、自由に使用できなくなってしまうこともあります。
この記事では、ロゴの著作権について、基本から詳しく解説していきます。著作権の種類や、著作権を侵害せずにロゴを作る方法、著作権譲渡の重要性などについて取り上げます。
これから自社ロゴを制作しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも著作権とは?


そもそも著作権とは、個人や法人が作った著作物に認められる権利のことです。
著作権は基本的に、それを作った当人に与えられます。たとえば、小説を書いた作家や、曲を作ったアーティストには、それぞれの作品に対する著作権が与えられます。

しかし、著作権は何も芸術作品にだけ与えられるものではありません。著作者の考えや気持ちが込められたものであれば、等しく著作権が与えられます。そのため、私たちが日常目にするロゴの多くにも、著作権は与えられているのです。

著作者財産権と著作者人格権の違い

著作権には大きく分けて、「著作者財産権」と「著作者人格権」の2つがあります。
著作者財産権とは、著作物の金銭的価値にかかわる権利を表します。権利者以外の人が著作物を販売したり複製したりする際は、使用者の許可を取り、必要に応じて使用料を払う必要があります。
ロゴの場合、この著作者財産権が非常に重要です。気づかぬうちに著作者財産権を侵害してしまうと、10年以下の懲役あるいは1,000万円以下の罰金が科せられます。

一方の著作者人格権とは、著作者の人格や名誉を保護するための権利を表します。たとえば小説などの作品で、題名や内容を勝手に変えたり、名義を変更したりできないのは、そこに著作者人格権があるからです。
ロゴの場合、著作者人格権が問われるケースは稀ですが、念のために覚えておきましょう。

著作権と商標権の違い

著作権と似たものに商標権がありますが、これらには大きな違いがあります。
商標権とは、特許庁に出願することで得られる権利です。ロゴの商標権を持っていれば、それを独占的に使用できます。また、類似したロゴの商用利用を禁止することもできます。

その一方、著作権は出願しなくとも、著作者に自動的に与えられる権利です。しかし、だからといって、すべての著作物に例外なく与えられるわけではありません。ありふれていて独自性がないと捉えられた場合は、著作権が認められないこともあります。

ロゴの著作権を侵害してしまうケース


ここでは、ロゴの著作権を侵害していると判断される代表的なケースを、3種類ご紹介します。
意図せずロゴの著作権を侵害することのないよう、それぞれの詳細をしっかり理解しておきましょう。

ケース①:既存のロゴに似ている(類似性がある)

制作したロゴが、既に存在するロゴに似ている(類似性がある)と、著作権侵害と判断される可能性があります。つまり、ロゴが既存のものとそっくりと思われたら、著作権侵害になるということです。
しかし、すべての似ているロゴが著作権侵害になるわけではありません。文字列だけのロゴや、単純な図柄だけのロゴの場合は、独自性が認められず、そもそも著作権が与えられないケースも多いです。

たとえば、単なるアルファベットの「A」をロゴにしても、類似したものが世界中に多数存在するので、独自のロゴだとは主張しづらくなります。
とはいえ、著作権が与えられるかどうかは素人目には判断が難しいので、意図的に既存のロゴに似せることは避けた方がよいでしょう。

ケース②:ロゴに「依拠性」が確認できる

制作したロゴに、既存のロゴへの「依拠性」が確認されると、著作権侵害になります。
依拠性とは、既存の著作物に基づいて創作をすることを表します。つまり、既にあるものを真似て作ったロゴの場合は、著作権侵害だと判断されるということです。
既にあるロゴをオマージュして作ったロゴなどの場合、依拠性が認められ、著作権侵害と判断される可能性が高いので注意しましょう。

ケース③:ロゴの著作権を譲渡してもらっていない

制作したロゴが、自社でオリジナルに発注したものであっても、著作権侵害になることがあります。それは、ロゴの著作権を譲渡してもらっていないからです。
先述の通り、著作権はそれを作った当人に与えられます。そのため、ロゴを外注した場合は、通常それを作った外部のデザイナーに著作権が与えられ、無許可で使うと著作権侵害だと判断されてしまいます。
自社で自由に使用するためには、制作を依頼する時点で、ロゴの著作権を譲渡してもらうことが重要です。

著作権を侵害せずにロゴを制作する方法とは?


既存のロゴの著作権を侵害せず、オリジナルなロゴを制作するためには、2つの方法があります。
ここでは、それぞれの詳細について、詳しく確認していきましょう。

方法①:ロゴのデザインに企業のコンセプトを反映させる

既存のロゴの著作権を侵害しないためには、ロゴのデザインに企業のコンセプトを反映させることが重要です。そのロゴに自社の独自性が認められれば、既存のロゴに似ていたとしても、オリジナルなロゴだと認めてもらいやすくなります。
たとえば単純に「ABC」とアルファベットを並べたロゴでも、そこに自社のイメージカラーを反映させるなどすれば、類似性や依拠性がないと証明できるでしょう。

方法②:専門の業者に制作を依頼する

既にあるロゴの著作権を侵害しないためには、専門の業者に制作を依頼するのもおすすめです。
素人が制作すると、無意識に既存のロゴを真似てしまいやすいですが、専門業者なら十分なノウハウがあるので、完全にオリジナルなロゴに仕上げやすくなります。
そのため、なるべく著作権侵害のリスクを抑えたい場合は、信頼できる制作会社に依頼するようにしましょう。

ロゴ制作を外注した際に注意すべきこと


ロゴ制作を外注する際は、著作権に関連して、3つ注意すべきことがあります。
1つずつ詳しく確認していきましょう。

注意点①:著作権を譲渡してもらう

ロゴ制作を外注する際は、著作権を譲渡してもらうよう注意しましょう。
著作権を譲渡していない場合、そのロゴはデザインしたデザイナーの作品という扱いになり、使用に制限がかかってしまいます。たとえば、ロゴを複製するだけでも、デザイナーに都度、使用料を支払わなければならない可能性があります。

また、中には著作権の譲渡を断ったり、譲渡に別途費用を請求してきたりする場合もあります。ロゴ完成後にトラブルにならないよう、制作をオファーする段階で、著作権の譲渡について話し合い、しっかり書面で契約を結んでおきましょう。

注意点②:商標登録を行う

外注したロゴが完成したら、商標登録を行いましょう。
ロゴには著作権があるから安心から思いきや、似たデザインのものを作られた場合、類似性が認められず、トラブルに発展する可能性もあります。また、文字だけの単純なロゴの場合、そもそも著作権が付与されないこともあるので、商標登録をしておく方が安心できるでしょう。
商標登録をすれば、そのロゴを独占利用できるのみならず、類似したロゴの使用を防ぐこともできます。
商標登録は、規定の費用を支払い、特許庁に出願すれば可能です。後々トラブルに発展しないためにも、早めに登録を済ませておきましょう。

注意点③:類似したロゴが存在しないか確認する

ロゴを外注した後は、実際に使用する前に、類似した既存のロゴが存在しないか確認しましょう。
プロのデザイナーといえど、意図せず既存のものを真似てロゴを制作してしまうことがあります。その場合、ロゴを作ったデザイナーだけでなく、それを商用利用した依頼主も、著作権や商標権を侵害したとして、罪に問われる可能性があります。
実際、過去にはデザイナーに制作を丸投げしたロゴやイラストが、他のアーティストのものと類似していたとして、裁判に発展したケースもあります。
そのため、できあがったロゴはGoogleの画像検索などで、既存のロゴと類似していないかチェックしてから使うようにしましょう。

まとめ

今回は、制作したロゴの著作権をテーマに、詳しく解説してきました。
ロゴの著作権は、基本的に制作した人に与えられます。そのため、ロゴ制作を外注した場合は、何もしないと著作権が自社にない状態になるので、しっかり著作権譲渡の手続きを取ることが大切です。
また、意図せず著作権侵害になってしまわないよう、既存のロゴに似ていないか、必ず確認してから利用するようにしましょう。

弊社CREED BANKでは、企業ロゴや商品ロゴの制作を承っております。ロゴタイプからロゴマークまで、貴社のニーズに合ったロゴを制作可能です。
新しく自社ロゴを作ることを検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

01制作実績

WORKS

MORE

MORE